自動車ローンがある場合の債務整理
1 自動車ローンがある状態での債務整理について
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類がありますが、自動車ローンがある状態で個人再生または自己破産をすると、自動車を失うことになります。
自動車ローンを組んだ場合、一般的には自動車に所有権留保という担保権が設定されており、自動車ローンについて債務整理をすると自動車が引き上げられてしまいます。
任意整理であれば、自動車ローン以外の債務を対象とすることで、自動車ローンは従前通り払い続けることで自動車を持ち続けることは可能です。
以下、それぞれの債務整理の方法と自動車ローンの関係について説明します。
2 任意整理をする場合
任整整理は、返済総額や分割回数などについて、個別に貸金業者等と直接交渉を行うという方法です。
対象とする貸金業者等を選ぶことができますので、複数の貸金業者等からお金を借りている場合には、自動車ローンの債権者以外の貸金業者等を対象とすることができます。
3 個人再生をする場合
個人再生は裁判所を通じた債務整理の方法であり、債務総額を大幅に減額することができる可能性があります。
ただし、すべての債権者を対象としなければならないため、自動車ローンだけは対象から外すということはできません。
そのため、個人再生の手続きを行ったり、個人再生を弁護士に依頼して債権者へ受任通知が送付されると、自動車が引き上げられてしまうことになります。
例外的に、親族の方などが第三者弁済によって自動車ローンを支払うことで、自動車をお手元に残すことはできます。